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孤独な王様はもういないんだ。僕が手を差し伸べなくたってNはきっと生きていけるんだ。彼に僕はもう必要ない。そう思って離そうとした手は彼に掴まれた。ボクにはキミが必要なんだよ、ボクの隣にはキミが居てくれなきゃ駄目なんだ。怒ったような泣きそうなような顔をして言う彼。なんて我儘な王様だろう、勝手に僕を英雄にして片割れにして、そしていざ僕が意を決して君を放そうとすると離れたくないなんて。そんなこといったら僕はもう彼の傍を一生離れられないじゃないか。彼を抱きしめた両手はきつくきつく彼を縛って、それでも僕たちは幸せだった。




相互依存 / 101031