Sand King




さらさらと手からこぼれ落ちた砂は地面に力無く横たわった。ボクは無言でただひたすら砂場から砂を掬っては落とすという作業を繰り返す。となりでそれをじっと眺めていたゾロアークが何がしたいんだと尋ねてきた。ボクはその問いに何もしたくないんだと答えた。ゾロアークはひとつ嘆息して、それからボクと一緒に砂場を掻き回しはじめた。いくばくもの砂粒がボクたちの手から、掬っては落ちて掬っては落ちて。手の平からお日様のにおいがするようになった頃、ゾロアークは手に付いた砂をぱんぱんと払いながら言った。たとえどんな道をお前が選ぼうとも、俺はいつでもお前の味方だ。砂場の茶色にすこし黒が混じった。

守ってみせよう、今まで僕の手から零れ落ちてしまったポケモンたちのためにも。僕のトモダチのためにも。僕は、負けられない。




砂上の王 / 101031