あなただけが私に残された希望。


light.


親に捨てられたも同然の私達。龍亞は私とは違う、普通の人間。私は龍亞を恨んだこともある。何故私にはこんな力があって、龍亞には無いのかと。龍亞はこの力を羨ましがるけれど、私はこんなものいらなかった。私も普通でいたかった。普通の生活を送りたかった。龍亞といると思うの、龍亞が送っている生活こそが普通の生活、私が送りたかった生活なんだろうなって。とても、とても羨ましかった。何故、龍亞と私はこんなに違うの。
だけどそれはあのときから変わっていった。そう、精霊世界に迷い込んとき。龍亞が私を助けてくれた。龍亞が私を呼んでくれた、私を――必要としてくれた。目覚めた後、泣きながら私を守ると約束してくれた。とても嬉しかったの。誰かから必要とされることがこんなに嬉しいなんて思ってなかったから。
龍亞は私の希望。龍亞がいるから私は今のままで生きていける。龍亞がいるから今の私がある。
だから、龍亞を死なせはしない。誰にも龍亞を傷つけさせはしない。龍亞は――私が守る。

小さな子供達は牙を剥く。その力はお互いが為に。







まもるもの / 100128