意味なんていらない。言葉なんていらない。そんなものはただただ無粋なだけだ。指を折って拳を握りしめた。ちらりと見遣ると奴もにやりと笑ってこちらを見た。
何故、と。聞かれたことがある。血反吐を吐いて相手を倒して勝負をつけて、それで何も得るものはない。だったらあなたは何のためにそんなことをするのだと。それに答える言葉はその時の俺には持ち合わせがなかった。だが今ならきっと言える。あいつがいるからだ。そう、それだけでいい。俺が俺であいつがあいつなら、きっとこの行為にそれ以上の理由なんかない。

「アレをしようぜ、アレの続きを!」
(きっとそれは俺達が俺達で在るために。)


s.cry.ed / 111009