そうやって逃げていけばいいさ。 いつか逃げ道が無くなるまで。 Will go away, (それは――只の逃避だ) 今更といえば、今更、だけど。もう奴は行ってしまった。きっと振り返ることなく。過去はいくら抗っても忘れても消えることはないというのに。奴を止めることができなかった俺がそんなことを思うこともどうかと思うけれど。 手を伸ばしても満月に届くことはない。遠い遠い世界のもの。きっと届かないからこそ人は空に焦がれるのだろう、なんて。遠い世界は届かないからこそ煌めき輝く。 (だけど、お前を放っておくわけにはいかない) 例え、それが届かないと思うほど遠い世界だったとしても俺は奴を追いかけない訳にはいかない。お前の仲間の為に、絆の為に。そしてなにより俺の…俺たちの希望の為に。 逃げろ逃げろ。過去から自分から。そうやって逃げ続ければいい。そして、逃げ道が無くなったとき、ようやくお前は気付くだろう。過去から逃れることは出来ないということを、お前が捨てていったものがどれだけ大切なものだったかということを。 |
星屑はやがて輝きだす、数奇な運命を以って / 100127